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特集-伝説の営業マン

トップセールスマインド

Vol.124 パラリンピック水泳選手の《成田真由美さん》

昨夏のロンドンでは合計16個のメダルを勝ち取った、
日本のパラリンピアン(パラリンピック出場経験者)たち。

その先駆者のひとりが、
アトランタ、シドニー、アテネ、北京、
4大会の水泳競技で
合計15個の金メダルを獲得した成田真由美さんです。

現在は講演活動などを通じて、
人々に勇気を与え、障碍者の活動の幅を広げるとともに、
「東京2020オリンピック・パラリンピック招致理事委員会」の理事として
東京五輪招致の活動にも参加しています。

今回は車椅子に乗った「水の女王」・成田真由美さんから
営業マンに通じるセールスマインドを学んでいきたいと思います。

車椅子に乗ったアスリート

成田さんが車椅子生活を余儀なくされたのは中学生の時のこと。
体も大きく運動が大好きで、
男の子と一緒に野球を楽しんでいた女の子が
横断性脊髄炎のため下半身が麻痺。
両脚を動かせなくなってしまったのです。

自暴自棄になって周囲に当たり散らしたり、
情緒不安定になったりしたこともあったそうですが、
持ち前の負けん気と明るさで、
次第に「車椅子に乗っていても成田真由美は成田真由美だ」
という当たり前のことに気づいた、という成田さん。

何度も手術を経験し、
生死の境をさまよったこともありましたが、
何とか高校、大学を卒業し、
23歳の時に水泳を始めました。

交通事故に巻き込まれたり、
心臓疾患を抱えている上に子宮筋腫の摘出手術を受けたり、
波乱万丈の競技人生でしたが、
そのたびに克服し、水の中に戻った成田さん。

体温調節機能が低く、汗をかいて熱を発散することができないため、
コーチの福元寿夫氏が泳いでいる
成田さんの首元に水をかけて冷やしながらの
ハードなトレーニングの日々。

それでも、
動かない脚にバケツをくくりつけて泳ぐという練習にも
まったく弱音を吐きませんでした。

トレーナーを務めた大塚五百紀氏は
パラリンピアンという存在を、
リハビリの延長から「アスリート」というイメージに変えた
先駆者として成田さんを賞賛しています。

理解は“引き寄せる”もの

成田さんが初めてパラリンピックに出場した96年。
金と銀のメダルを2つずつ持ち帰った成田さんは
ある新聞社からインタビューを受けました。

ところがその記者の最初の質問は、
「パラリンピックって何ですか?」というもの。

普通なら、ここで失望のあまり
マスコミ嫌いになりそうなものですが、
成田さんは逆に、
「取材をどんどん受けよう」と決意するのです。

理由は、簡単。
自分が取材を受けることで
「パラリンピック」という言葉を1度でも多く活字にして
世間に「パラリンピック」を広めたいから。

無理解に屈したり、諦めたりせず、
自ら理解を引き寄せようとする能動性。

金メダル15個を獲得し、
シドニー五輪の後には結婚もし、
活き活きと人生を謳歌する成田さんは
心身ともに逞しいアスリートなのです。

成田真由美さんに学ぶ

今週のトップセールスマインド

営業マンとして現場を走っていると、
お客様に、「大切な商品の価値」をなかなか理解してもらえず、
気落ちしてしまうこともあるかもしれません。

しかし、そこで諦めず、
自分から理解を引き寄せようとする。

その姿勢こそが、
新たな道を切り開くことにつながるのかもしれません。

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