どのスポーツにおいても、エリート街道というものは存在します。

野球であれば甲子園で活躍し、ドラフト1位指名でプロ野球選手に。
マラソンであれば、箱根駅伝でスターになり、名門の実業団に。
そして、サッカーであれば、Jリーグのユースチームに合格し、そのままプロ契約へ。

というのがエリート街道かもしれません。

しかし、長友選手はこういったエリート街道からは外れた
「非エリート」だったのです。

中学時代には地元のジュニアユースチームの入団試験で不合格。
高校時代にはサッカー名門の東福岡高校に進学し、
3年次にはレギュラーをつかむものの、
明治大学のスポーツ推薦で、不合格。
学業成績により、指定校推薦で明治大学に入学するものの、
なかなかレギュラーにはなれず、
一時期は応援団で太鼓を叩いていたそうです。

そんな長友選手も、
２年次に神川明彦監督にフィジカルの強さを見いだされ、
ポジションを「サイドバック」にコンバートされた途端、試合でも大活躍。
スカウトの目に止まるようになりますが、
それまでは、エリート街道には全く縁のない選手だったのです。

【意思がある所に道あり】

長友選手は自らの自叙伝の中で、
この言葉を好んで使っています。

同選手は常日頃からメディアに、
「世界一のサイドバックになる」と公言しています。
長友選手にとっての"意思"とは、
「世界一のサイドバックになる」ことなのでしょう。

では、
決してエリート街道を歩んできていない長友選手は
どうやって現在までの成果を生み出してきたのでしょうか？

長友選手の考え方は明確です。

彼はあるトークショーで子供たちにこのように語り掛けています。
「目標は常に持って。夢から逆算して、日々積み重ねていくことが大事」

つまり「世界一のサイドバック」という大きな目標（意思）から、
そこに向かうためのプロセスを逆算し、
一日一日やるべきことに100％取り組む。

今日やるべきことという小さな目標を目の前に置き、
そこに向かって努力を積み重ねる。

これが長友選手の信念とも言える考え方なのです。

また、彼はこうも言っています。

「僕から努力をとったら何も残らない」

目標に対するひたむきな想いと向上心が、
いかなる状況下においても腐らずに、
着実な成長へとつながる原動力になったのです。