25歳の時に、
前人未踏の7タイトル全制覇を達成した羽生さん。

それから15年以上が経ち、
日本棋界における新記録を樹立した羽生さんですが、
数年前から新たな境地で将棋に挑んでいるそうです。

10代、20代の頃に比べ、
記憶力や反射神経は衰えたものの、
経験を積み重ねる中で培った「直感」や、
勝負の流れを読む「大局観」を生かして勝負することを心がけているとか。

そんな羽生さんも、
実はタイトルが１冠にまで落ち込んだ時期がありました。
それは、世に言う"スランプ"とはまた違うもの。

25歳で頂点を極めた後、
「この先どうなるのか…」と、
漠然とした不安に駆られはじめ、
迷いとともに次第に戦績も下がってしまったそうです。

そんな時、羽生さんの目にとびこんできたのは、
ベテラン棋士たちが将棋に打ち込むという
普段から見慣れているはずの光景でした。

羽生さんはその時、
こんなことを感じたそうです。

『才能とは、一瞬のひらめきやきらめきではなく、
情熱や努力を継続することができる力のことなんだ』と。

その気付きをキッカケに、
心新たに自分の将棋を極めることを心に誓ったそうです。

今後は、 1期タイトルを獲得するごとに記録更新となる"独り旅"であり、
すでに、82期目を狙う王位戦が始まっています。

「気分も新たにまた１局１局、臨んでいきたい」
そう語る羽生さんの活躍から、これからも目が離せません。