選手としては無名のまま、
20歳で引退したザッケローニ氏ですが、
30歳から指導者としての経験を積み、
セリエAでリーグ優勝するなどの実績を上げた後、
日本代表監督に選ばれました。

しかし、スポーツ雑誌「Number」によると、
ザッケローニ監督にはもうひとつの顔があるそうです。

それは、故郷であるイタリア北部のリゾート地で、
レストランやマリンリゾートを手広く経営する実業家としての顔。

故郷ではザッケローニ氏の名前を知らない者はなく、
町長選に担ぎ出されそうになったこともあるそうです。

ザッケローニ氏は少年の頃から数字に強く、
ビジネスのセンスがありました。

13歳のには、
父親が経営するレストランでテーブル2卓の切り盛りをし、
「楽しかった」とか「こんなことがあった」といった
子どもらしい感想ではなく、
「経営の極意は経理だ」という発見を語ったそうです。

そのような実業家としてのセンスは
代表監督としての采配にも発揮されています。

監督の代表練習でのアドバイスは、
「パスをつないでサイドを変えたら、迷わず縦に行け」
「守備のとき、相手がワンツーをしたら、ボールは見なくていい」
「前にいる選手が背中を見せたら、外から追い越せ」
といった、非常にわかりやすく、具体的なもの。
データ分析と実際の選手の動きから導き出された、
明確なアドバイスです。

戦術についても、
監督の目指すフォーメーションは
効果的な守備ブロックを構築することで、
日本代表の持ち味である運動量やスピードをむやみに消費せず、
意外性ある攻撃に結びつけるもの。

合理的なフォーメーションには
経営のセンスが発揮されていると言えるのではないでしょうか。

経営という、サッカーには一見関係のないものと
サッカーを両立させてきたザッケローニ監督。

経営の手腕は
あらゆる場面に活用できるということを証明しています。