JAL再生の要請があった時、
稲盛さんは78歳。
周囲には「晩節を汚す」と反対の声が多かったそうです。

しかし稲盛さんは、
日本経済全体のことを考えて、
無償でこの大仕事を引き受けました。

そして、
会議以外の時間にも幹部と議論を交わし、
現場に顔を出しては、直接社員に想いを伝えていきました。

その甲斐あって
組織の体質に大きな変化がもたらされ、
JALは再建を遂げたのです。

稲盛さんには、
『人生・仕事の結果＝考え方×熱意×能力』という哲学があります。

「能力」と「熱意」が0点から100点だとすると、
「考え方」はマイナス100点からプラス100点まで幅広くある。

したがって
最も重要なのは「考え方」であり、
「考え方」がプラスになれば「能力」以上の結果がついてくる、
というのです。

稲盛さんはまさに、
組織の「考え方」を変革することで、
JALという企業と日本経済を救ったのです。

一方で、
稲盛さんには「燃える闘魂」「仕事に恋をする」
といった哲学があります。

では、
稲盛さん自身も、稲盛さんに賛同する社員も、
どうやってそれだけのエネルギーを持続し、
結果を出し続けているのでしょうか。

そのヒントになるのが、
京セラのHPに掲げられた稲盛さんの教えの一つ、
《六つの精進》の中にあります。

それは、
『感性的に悩まない』という「考え方」。

失敗は誰にでも付き物であり、
それなのに『感性的』にくよくよしても、
心の健康を損なうだけである。

それよりも、
『理性』をもって反省することで、
新たな行動に移るべきだ、というのです。

堅固な哲学を持ち、
『理性』によってコントロールしているからこそ、
稲盛さんと稲盛さんが関わる組織は
結果を出し続けているのではないでしょうか。