低消費電力、長寿命、そして小型という優れた特性を持つことから、
数多くの電子機器に利用されている発光ダイオード。

しかし、比較的早期に実現された
赤色や緑色の発光ダイオードとは異なり、
青色の発光ダイオードだけは実現が難しいとされていました。

多くの研究者たちが開発を断念。
1970年代末には世界の名だたる電機メーカーも研究開発から撤退しました。

そんな中、赤崎さんは青色発光ダイオードの開発に挑み続けますが、
国際会議で途中成果を発表しても、まったくの無反応。
次第に世界の流れから孤立するようになっていきました。

さらに、赤崎さんが所属していた研究所も、
開発から手を引いてしまいます。

それでも赤崎さんは、決して諦めようとはしませんでした。
名古屋大学に移って研究を継続。
そして1989年。
ついに世界で誰も成し得なかった、
青色発光ダイオードの開発に成功したのです。

この歴史的ブレイクスルーで、
その後の関連分野の研究や新たな産業分野の形成に
一気に拍車がかかりました。

「実現不可能」とまで言われていた青色発光ダイオード。

赤崎さんが世界で誰も成し得なかったことを成し遂げた秘訣は
一体、どこにあったのでしょうか。

約30年にもおよぶ開発までの期間、
たとえ学会や研究仲間から孤立しても、
赤崎さんは絶対に開発を辞めようとは思わなかったと言います。
そのことを後に赤崎さんは、次のような言葉で言い表しています。

【我が道と信じて迷わない】

そう、誰も成し得ないことを成し遂げられたのは、
自分が歩んでいる道を我が道と信じて迷わず、
研究に対してひたむきに取り組み続けたからこそなのです。