今回の全日本選手権での優勝は、
今までのものとは、
ひと味もふた味も違うものでした。

ご存知の方も多いかとは思いますが、
いつも浅田選手をそばで見守ってきてくた母 匡子さんが
12月9日に急逝されたのです。

カナダＧＰファイナルを欠場し、
急遽、日本に戻ってきた浅田選手。

13日にはリンクに姿を現しましたが、
気持ちの整理がついていたとは、決していえない状況だったはずです。

急激に練習を再開したことによって生じた筋肉痛。
本番に向けて、万全な体制を整えきれていないことに対する焦り。

そんな中で、浅田選手は本番に臨んでいたのです。

むかえた、フリー滑走の瞬間。
スタートポジションにつくまで張りつめる緊張感。

しかし…、
音楽が流れ始めた瞬間、
心配にも似たその感情は、一気に感動へと変わっていきます。

いつもと変わらぬ、明るく、穏やかな表情で舞う浅田選手。
途中、ジャンプで不安定になってしまった場面もありましたが、
それが全く気にならないほどに、
伸びやかで、華麗な演技を見せてくれました。

現在、浅田選手のコーチを務める佐藤信夫氏は
このように言っています。

「今まで経験のない様々なプレッシャーのかかる中で、
私も正直どうなるかなと心配していました。
しかし、日ごろからコツコツ、
【真面目にたゆまず鍛錬してきた】から身体が動いたのだと思います」

浅田選手を支えたのは、【日々の鍛錬の積み重ね】。
そのおかげで、"優勝"という結果を生み出せ、
母へこれ以上ない"プレゼント"を届けることができたのでした。