実業家の中の実業家と言われる増田さんの哲学は、
「客を喜ばす“企画”を売る」というもの。

そして、そんな企画を考えるために、
意識しているのは、常に“時代の流れを読む”ということ。

増田さんは、
日本の資本主義は、
知的資本によって成長をはかる新時代に突入すると語っています。

製造業の国内成長が伸び悩むこれからの時代、
日本企業は、デザインやプランニングといった
知的ワークに注力していくと予見しているのです。

そうして「知」を育む人たちに
ライフスタイルを提供する場として企画されたのが、
「代官山　蔦屋書店」、だったのです。

気軽に本を読み、カフェでくつろぎ、イベントに参加し、
旅行カウンターで手続きまでできる「蔦屋書店」。
それは、まさに「知の楽園」といえる場所。

増田さんの、時代の流れを読み、
顧客のニーズをつかむ企画力は、
こうしてたくさんの人々を喜ばせています。

では増田さんは、どうやって時代の流れを読み、
次々に新しい企画を生み出しているのでしょうか。

増田さんは、多忙な中でも、毎日、
映画、音楽、書籍といったメディアに接しているそうです。
「そうした表現物に常に接しているから
世の中の空気がつかめるのかもしれない」
そう語っています。

さらに、若い頃、
クリエイティブな人々が集まる「レオン」という喫茶店に通いつめ、
刺激を受けた経験があり、
『時代を動かすのは人間同士の交流だ』という確信から、
常に人との交流を重視しているそうです。

さまざまなメディアに常に接する。
クリエイティブな人たちとの交流を大切にする。

それらを原動力にして、
今も、時代の最先端を行く企画力を発揮しているのです。