高田さんの実家は、
長崎県平戸市にある小さなカメラ店・「カメラのたかた」でした。
20代で、実家の支店を任された高田さんは、
破竹の勢いで、業務を拡大していきます。

任された支店の売り上げ目標を１ヶ月300万円と掲げ、
現像の注文を取るために工事現場などあらゆる場所に出向き、
取次店としてタバコ店などと取引をし、
大企業に先駆けてその日のうちに現像した写真を渡すシステムを作り、
その運搬のために細かい裏道まで隈なく調べ上げました。

それでも売り上げ目標に届かない時は、
離島の旅館に出かけては、
宿泊客の写真を撮って販売したり、
直接カメラを販売したり…、
と、頭も体もフル回転。

やがて「カメラのたかた」の営業所は3店舗に増え、
高田さん38歳の時、
現在の「ジャパネットたかた」の前身である
「株式会社たかた」が誕生したのです。

そんな高田さんのモットーは、“妥協しない”。
この姿勢は、20代の頃から今に至るまで貫かれており、
通販番組の生放送直前であったとしても、
商品やカメラワークの変更を辞さないほどだといいます。

今や有名人となった高田さんは、
若者に向けて、ちょっと意外なことをおっしゃっています。

「なりたいものや夢を若いうちに決める必要はない」というのです。

やりたいことが見つからない、夢がない。
だから、何をしていいかわからない。
そう悩む若者は多いでしょう。

しかし、それを嘆くよりも、
まずは、“今”を成功させるための
努力をすることが大切だというのです。

高田さん自身、目標をもって計画的にやってきたわけではなく、
“今”できることをすべて考えては、
妥協しないで、できるまでやり続けた、
その結果として今があるのだそうです。

これを高田さんは、
“今の成功に一極集中”と呼んでいます。

高田さんの成功は、
妥協しないで、積み重ねられた“今”の賜物なのです。