福田さんの信条は、
“目標を立てたら、どこまでも追って捕らえる”こと。

女子レスリング普及という目標を、
30年間、どこまでも追いかけてきました。

福田さんと女子レスリングとの出会いは、1984年。
日本レスリング協会役員として訪れたフランスでした。
パイオニア精神に溢れた福田さんは、　
肝心の選手がまだ誰もいない日本に
レスリング普及委員会女子部を設立。

そこから、柔道選手に声をかけ、
翌年には国際大会に参加。
2年後には、プロレス組織に協力を要請して
15名ほどの選手を確保。

近くの青少年総合センターを練習場所として、
自宅前のアパートに選手たちを住まわせます。

さらに、
国際レスリング連盟の女子委員会副委員長となり、
オリンピックの正式種目への道を開拓。

91年には第4回世界選手権を日本へ誘致して
メディアの注目を集め、
ついにアテネオリンピックで
金2個、銀1個、銅1個のメダルを獲得。
女子レスリングと出会って、20年目の快挙でした。

実は、福田さんは、
赤字の会社を立て直した実業家としての顔ももっています。

ひとりの人間がなぜ、
これだけ多岐にわたる活動ができるのか。

実は、
福田さんは《味方づくりの達人》なのです。

福田さんは、
何かを始める時、
まず第一に、最適な協力者を見つけ出します。

そして、面識がなくても、
アポイントが取りづらくても、
臆することなく自ら情熱的に依頼をし、
しっかりと恩を返すのです。

例えば、
女子レスリングの「虎の穴」と言われる、
「桜花道場」の工事を請け負った
丸山秀二という人がいます。

「桜花道場」は、もともと新潟県十日町市の廃校でした。
福田さんは、その改築を、
地元の建設会社社長である丸山氏に、
「安い値段でやってくれたら、女子レスリングの役員にするから」
と頼み込んだのです。

一昨年、「桜花道場」は20周年を迎えました。
丸山氏には、
長年女子レスリングに貢献した功労者として2つの賞が贈られ、
福田さんは「桜花道場」で、
丸山氏の盛大な祝賀会を開催したのです。

夢の実するための《味方づくり》。
それが、福田さんが功績を残せた最大の理由なのです。