チーズ農家の《吉田全作さん》のトップセールスマインド

Vol.153 チーズ農家の《吉田全作さん》

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吉田全作さんは、
岡山県は吉備高原にある吉田農場の経営者です。

吉田農場では牛たちが自在に歩き回り、
吉田さんは、奥さんや息子夫婦とともに、
搾りたてのミルクを使って
チーズを自家製造しています。

たっぷりの愛情と手間隙をかけられた
ナチュラルチーズは
全国の有名レストランから注文が殺到する美味しさ。

入手困難なそのチーズは“幻のチーズ”と言われ、
吉田農場は経営面でも成功を収め、
『情熱大陸』、『プロフェッショナル』といったメディアにも
たびたび取り上げられています。

今回は、チーズ農家の吉田全作さんから
営業マンに通じるセールスマインドを学んでいきたいと思います。

すべての工程に意味がある

吉田農場に、休みはありません。

牛たちから美味しいミルクをいただくためには、
毎日の牛舎の掃除は欠かせません。

また、真夏の炎天下でも、
牧草を保つために雑草を刈ったり、
牛のケガを防ぐために
石を取り除いたり。

牛乳からチーズをつくる以外にも、
たくさんの仕事があるのです。

そこで、
「チーズ作りで最も大切なことは？」
と尋ねられると、
吉田さんは、
「答えられない」と言うそうです。

なぜなら、すべての工程に意味があるから。

チーズづくりの工程はもちろんのこと、
日々の掃除や草刈りのすべてに手を抜かないからこそ、
“幻のチーズ”をつくることができるのです。

困難を楽しむ“探検”の精神

すべての工程にこだわったチーズづくりを、
吉田さんは、もう20年も続けています。

初めのうちは
出来損ないのチーズばかりで困難の連続だったのに、
なぜ、これほどの成功を収めるまで、
続けることができたのでしょうか。

そこには、
学生時代、「探検部」に所属していた経験が活きています。

探検部では、山登りの鉄則として、
次のような言葉を学ぶのだそうです。

「山で迷った時には、
楽に思える下りではなく、
遠回りでも尾根まで登れ」。

吉田さんは、その考え方を、
人生においても実践してきました。

大学を出て大手企業に勤めながら、
チーズづくりという困難な道を敢えて選び、
美味しいチーズづくりを求めて、
探検するように、手探りで取り組んできたのです。

困難なことを避けることなく、
一つひとつに取り組む“探検”の精神。
それが、試行錯誤を重ねる“幻のチーズ”の原動力なのです。