今季、華々しいルーキーイヤーを飾った松山さんですが、
それは、たくさんのトラブルと闘って掴んだ結果でした。

全英オープンでは時間制限を超えるプレイがあったとして
1打のペナルティを課せられ、

日本ツアー3勝を挙げた10月以降は、
顔の腫れや背中の痛みなどのトラブルが続き、
賞金王を決めたトーナメントでも、
親指に違和感を抱えた状態での勝利でした。

こうしたトラブルに負けない強靭な精神力が、
松山さんを「史上初のルーキー賞金王」に
押し上げたと言っても過言ではないでしょう。

しかし、
ゴルフは非常に厳しいスポーツです。
怪物と称される松山さんにも
思うような結果が出せないことはあります。

プロ入りの前年には、
夢の舞台・アメリカのマスターズ最終日に、
パットの感覚が狂い、
大きく順位を下げています。

マスターズのコースは、
攻めないと勝つことはできない、
しかし攻めると大きく順位を崩すと言われる超難関コース。

松山さんは、
そこで果敢に攻めのゴルフを続けた結果、
苦い敗北を味わったのです。

とはいえ、
27位タイという結果は
決して責められるようなものではありません。

ところが試合後、
日本人記者に囲まれた松山さんは、
大粒の涙をこぼし、一旦インタビューを中断したのです。

言葉を発することができないほど、
抑えきれない悔しさを感じていたためでした。

その涙は
松山さんの“勝つ”という意識の強さの裏返しです。

目標を達成できなかった時、
心の底から『悔しい』と思い、
それをバネにして挑み続けるからこそ、

松山さんは、
トラブルに負けず、勝利を積み重ねることが
できているのではないでしょうか。