『16分割週間スケジュール』も、実はプロセスを重視する考え方から生まれました。 私は大学卒業後、大手製造企業に入社し、出向で商社の経理・総務を担当していましたが、そこで営業の方々を見て営業職にあこがれ、生命保険会社に転職をしました。しかし、望通りの転職だったにも関わらず、いざ営業活動をしようとしたら足がすくむのです。友人や知り合いへもみじめだと思われたくなくて顧客開拓ができず、フルコミッション営業の固定給範囲がなくなり、ついに3年後の月収が1760円という額となりました。通帳を見た時は、がっかりして銀行の椅子に座り込んでしまいました。100円のハガキを買うことすらためらう状況なのに、見栄を張って上司や妻にもその状況を言えずにいましたし。そしてその次の月はさらに低い1655円。やっとの思いで後輩に頼み込んで1件の契約を得られたのですが、その時に気づいたのです、前に進む事を邪魔しているのは自分だ、と。後輩に会いに行っても、いざ後輩を目の前にすると「断られたらどうしよう」ともう一人の自分が引き止めるからです。

そこで一念発起して、“自分はあこがれの革命家チェ・ゲバラのように勇敢な人間なんだ”というフィクションを作り、チェ・ゲバラならこの状況をどう打開するかと想像して作戦を立てたのです。お客様から見込み客の方を紹介していただく“紹介作戦”や、学生時代の名簿を使ってテレアポする“名簿作戦”などです。もちろん、全てが成功したわけではないですが、1年後に成約につながったり、作戦そのものは成果を生まなかったけれど後々の顧客開拓のチャンスを生んだりと、時間を経て成果を出せたものもあり、一歩を踏み出すというプロセスの重要性に気づいたのです。